7月25日(木)に開幕する舞台『転生したらスライムだった件』-魔王来襲編&人魔交流編-。2023年8月に上演された舞台第1弾に引き続き、今作でも尾木波菜(≠ME)さんが主人公リムル=テンペスト役を演じます。
今回は舞台第2弾上演記念として、TVアニメ『転生したらスライムだった件』リムル役の声優・岡咲美保さんと、舞台版リムル役の尾木波菜さんとの“Wリムル対談”が実現!
シリーズ累計発行部数4,500万部を超える大ヒット異世界転生ファンタジー小説を原作に、コミックス版やアニメ版も大ヒットの『転生したらスライムだった件』。2023年には初の舞台化が実現し、2.5次元の世界で躍動するリムルたちの姿が好評を博しました。7月に開幕する今作では、前作の続きとなる魔王来襲編&人魔交流編が描かれます。
初となったWリムル対談では、舞台初演の印象や思い出、今作で楽しみにしていること、作中でマブダチになりたいキャラクターなどについてお話を聞きました。お互いへの質問を通して見えてきた、お二人の“リムル愛”をたっぷりとお届けします。
――岡咲さんは前作を劇場で観劇されたそうですね。舞台でのリムルをご覧になっていかがでしたか。
岡咲美保(以下、岡咲) アニメでリムルと向き合っているときは、やっぱり自分事としてリムルを内側に降ろして演じているので、どちらかというと仲間への愛とかに目が行くんです。でもやっぱり舞台版を観て改めて、リムルってすごくいいキャラクターだし、かっこいいし、こんなにも頼もしい盟主なんだっていうのを感じました。かっこいいけど親しみやすさが感じられたのは、尾木さんが演じられているからこその柔らかさだなと思って。すぐ仲良くなれそうな盟主様っていう感じがしましたね。
尾木波菜(以下、尾木) ありがとうございます! そう言っていただけてすごく嬉しいです!
――一方で尾木さんは、すでに岡咲さんの演じたリムル像がある中で、どういった部分にこだわって役作りをされたのでしょうか。
尾木 舞台出演が決まる前から、アニメを何十回も観ているくらい大好きな作品だったので、自分の中でも岡咲さんが創られたリムル像が確固なものとしてありました。その上で、どれくらい“自分自身でも認められるリムル”に近づけられるのかというのは、自身が作品の大ファンだからこそすごく意識していました。なので岡咲さんに「よかった」と言っていただけて、今すごく安心しています。
岡咲 本当に作品を愛してくださっていることを感じたし、私は何も気にせずお芝居させていただいた中で、アニメ版を経ての舞台版ということで苦しく感じる部分も多分あったはずで。その中でアニメのいいところを大切にしてくださっていたのが伝わってきて、「届いたんだな」って思って嬉しかったですね。
――そんな初演でのお気に入りシーンを教えてください。
岡咲 最初のシーンでリムルが人型で出てきた瞬間、すっごく感動しました!
尾木 えっ、嬉しいです!
岡咲 前作は『転スラ』のアフレコ終わりにみんなでダッシュで伺ったんですよ。舞台上のリムルを観た瞬間、会えた感動がすごく大きくて。アニメの見せ方もすごく大切にしてくださっているのも感じて、具体的にどこっていうよりも、もう最初から最後までのめり込んで楽しんでいました。あと、ラストにお客さんも巻き込んでのオリジナルソングがあったじゃないですか! それがすごくかわいい空間で。大人はもちろんお子さんも一緒になって盛り上がる雰囲気が「『転スラ』ってこうだよな」と思わせてくれて好きでした。
尾木 そう言っていただけて本当に嬉しいです! 私の好きなシーンは、1番最後にリムルの一声で終わるところです。各キャラクターのそれぞれの変化や成長を綺麗に見せた上で、リムルの言葉で終わっていくところが「これぞ『転スラ』!」という感じで毎回気持ちよかったです。
岡咲 噛まないようにっていう緊張感がすごそう!
尾木 そうなんですよ(笑)。とても緊張したんですけど、この先の未来が楽しみになる終わり方がすごく好きでした!
――今回、舞台ではコミックス6巻~11巻にあたる「魔王来襲編&人魔交流編」が描かれます。岡咲さんはどんなところに期待しているか、また尾木さんはどんなことが楽しみでしょうか。
岡咲 舞台版のミリムちゃんが出てくるということで、どんな感じで観せてくれるんだろうってワクワクしますね。ミリムと接するときのリムルのテンション感が私としてもすごく好きで。
尾木 わぁ、わかります!
岡咲 ミリムはマブダチとしてストレートにきてくれるじゃないですか。その態度がリムルのラフなところを引き出してくれるので、2人の絡みは舞台上でも距離感がどうなるのか楽しみです。あと、子供たちに対して先生を頑張っているリムルもかわいいじゃないですか。そこも動きがある舞台でどうなるのかなって。いろんなモードのリムルが新たに観られそうで、今作も楽しみです!
尾木 頑張ります! 私もミリムが登場するというのがすごく楽しみで。ミリム役の宇咲さんが同い年なので、リムルとミリムの関係性を引き出しやすいんじゃないかなと思っています。前作はリムルがこの世界のことを知って基盤を作っていく成長の過程を描いていたのですが、今回は私がリムルの大好きな部分である、リムルの安定感やリーダーシップを表現できたらいいなと思っています。盟主としての自覚や、先生として子供たちとの時間を通して成長していく姿を、自分自身も成長できるように、リムルの気持ちで頑張れたらなと思います。
――ちなみに『転スラ』の登場人物の中でマブダチになるなら?
岡咲 迷う〜!
尾木 私はヴェルドラ推しなので、推しとしてヴェルドラと仲良くなりたいです! あの熱さとストレートさが可愛すぎて、こんなマブダチがいたら自分も楽しく過ごせるんじゃないかなと思うので、彼と最高のマブダチになりたいです!
岡咲 私はラファエルさんかな。やっぱり頼もしいし、ラファエルさんも大賢者から進化していく中で、ちょっと感情を見せはじめたところが愛らしくて、そういうところをもっと引き出してみたいって思うので。ラファエルさんとマブダチになれたら最強だなっていう理想も込みで(笑)、ラファエルさんにしようと思います!
――Wリムル対談ということで、お互いに聞いてみたいことはありますか?
岡咲 聞きたいことあります! 私は台本片手に演じるので、どうやってあの量のセリフを覚えているんだろう……って。
尾木 私も最初は本当に覚えられるのか不安だったんですが、実際に動いて感情をつけて、シーンができていくと自分でもびっくりするくらいスラスラとセリフが出てきたし、意外とできるものだということを前作で学びました(笑)。
岡咲 すごすぎる。動きがトリガーになってセリフが出てくるんですかね。
尾木 そうみたいです。ふっとセリフが飛んでしまっても、場面に合わせて言葉を出していたら、そのままもとのセリフに繋がることもあって。
岡咲 想像するだけで大変そうです。リムルはモノローグが多いじゃないですか。アニメだと心の声だから内側に落として演じられるけど、舞台だとモノローグでも声を前に出して客席に届けないといけないって考えると、そこは舞台ならではの難しさですね。
尾木 そうですね。前作の稽古中も、ハクロウ役の萩野崇さんに「どうしたら覚えられますか?」と聞いたんですよ。そうしたら「自分の中で楽しく演じていたら役として言葉も出てくるから、そんなに考えすぎないで大丈夫だよ」と言っていただいて。すごく勉強になりました。次、私も質問いいですか?
岡咲 ぜひ!
尾木 リムルを自分の内側に降ろしているとおっしゃっていましたが、リムルの感情の起伏で、ご自身のメンタルが影響を受けてしまうことってありますか?
岡咲 楽しいシーンは引きずっていても気づかないんですが、アニメ2期の「神之怒(メギド)」を放ったシーンはさすがに独特の緊張感と没入感があって、ブルーというかブラックというか、引きずる感じはありましたね。もちろん「こういうふうに演じたい」というのはあるんですが、とはいえ難しく考えるより、「自分がリムルとして生きてきたんだ」って思うほうが、自分としては演じやすいなって思っています。ハクロウ役の役者さんの言葉に近いかもしれないですね。最後は“自分が気持ちいいところ”が“リムルの気持ちいいところ”だったらいいなって思いながらやっています。
尾木 すごく勉強になります! 初演のときは本当に考えすぎてしまって……。
岡咲 でも舞台だと、動きっていう感情がダイレクトに伝わるもので表現しなきゃいけないので、本当に尊敬します! 私は顔や身体がいくら緊張しても、声帯さえ無事なら大丈夫な世界なので(笑)。
尾木 とんでもないです! 逆に私は、身体の表現をつけてやっとリムルの気持ちを表現できた感覚なので、本当に声優さんはすごいなと思いました。
岡咲 じゃあお互いにリスペクト交換ですね(笑)。
――では最後に、公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
岡咲 前作は舞台上に本当に楽しい『転スラ』ワールドが広がっていて、原作の良さ、アニメの良さそのままに、さらに舞台版ならではの臨場感やワクワク感、お客さんを含めての『転スラ』愛が溢れていました。私自身すごく作品を身近に感じられたので、だからこそ、初めての『転スラ』デビューが舞台版というのもいいかもしれないなと。『転スラ』初めましての方にも、原作好きな方にも、とにかくたくさんの方に生で尾木さんのお芝居をはじめ、『転ステ』ワールドを体感していただけたらなと思います。岡咲も行かせていただけたらなと思っています!
尾木 まずは、第1弾に続き主演を務めさせていただけることを本当に嬉しく、光栄に思っています。岡咲さんが創ってくださったリムル像を大切に、今作もリムルの魅力を余すことなく伝えられるよう自分自身も成長しながら頑張りたいと思います。前作同様、周りのキャラクターがボケてリムルがツッコむという舞台版ならではのアドリブもあるかと思うので、そこも含めてお客様と一緒に楽しみながら素敵な時間をお届けできたらと思います!
取材・文/双海しお
撮影/遠藤勇司
ヘアメイク/佐藤友梨
スタイリスト/ナミキアキ
(岡咲美保衣装/an another angelus)
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